マンションなどの集合住宅で管理状態によりリスクが高くなる居室が在るって事をご存知でしょうか。
それは最下階と最上階です。
まず1階や地階などの最下階。ここでは、汚物の詰まった排水管が爆発し居室内に汚物が散乱する事が在ります。
私の認知している事例では、一件目は賃貸の市営住宅で一階居室に詰まった排水管から汚物が散乱しました。以後、こちらの市営住宅では町内会費より排水管清掃費を捻出して二年に一度の排水管清掃を実施しています。
二件目は、分譲マンション一階での排水管詰まりによる汚物散乱事例。こちらのマンションでは、油圧式エレベーターを採用していたのですが、建築時にエレベーター会社から湿気を避けたいので排水管を付近に通さないで欲しいと要望され、排水管取り回しの設計が変更されました。それにより部分的に負担が大きく掛かってしまったこと、定期的な清掃がされていなかった事により排水管詰まりが発生したようです。
そして、次は最上階のリスクですが、これは第一に雨漏りです。私が20年前に購入した分譲マンションでは築1年半で最上階で雨漏りが発生しました。屋上防水シートの貼り合わせが悪かったようです。特にこのマンション、屋上の屋根形状がかまぼこ型になっており、工事作業者は屋根の先端付近では落下の危険性が在り、誰が見ても作業時の足場が不安定な状態です。補修作業時は超大型の高所作業車を持ってきて行っていました。このような特殊形状の屋根は防水シート貼り合わせ時の施行不良発生リスクが高く、雨漏りがしても仕方ない構造なのかもしれません。
第二に日射による温度上昇リスク。かまぼこ型の屋根は防水シート施行不良が発生するリスクはある反面、屋根裏に空間が在り排熱性は高いのですが、平坦な屋根形状の場合、夏場は最上階の室温が上昇しエアコンが効きにくい状態になります。これを防ぐためには、耐熱・遮熱シートを貼る、屋上緑化を実施するなどの方法が在ります。最も価格の高い最上階ですが、ある意味、最もリスクが高いのも最上階と言えるかもしれません。
マンション管理の現場では、このリスクが高い最上階と最下階の状態・管理方法に特に気を付けなければなりません。
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