水曜日, 6月 10, 2015

管理費と修繕積立金の見直し方法

今日は、分譲マンション居住者にとって、最も気になる「管理費と修繕積立金」の見直し方法について考察してみます。 そもそもなぜ見直しが必要になるかというと、10年から15年に一度行われる大規模修繕時に十分な資金を蓄えておく必要があるからにほかなりません。 現在殆どの分譲マンションでは購入時に修繕積立基金として一定の金額を購入費と一緒に支払っていることと思います。これは、大規模修繕時に一時金を徴収することなく円滑に行えるように管理組合に積み立てておく資金です。しかし、この基金は初回の大規模修繕でほぼ使い切ってしまう事になります。2回目以降の大規模修繕には、皆さんが月々管理費と一緒に支払っている修繕積立金のみで行わなければなりません。当然不足しますので、一戸当たり100万円など高額な割り当てが発生したりします。  それを避けるために、入居当初、出来るだけ早い時期から管理費と修繕積立金を見直していく事をお勧めします。
まずポイントその1、
 管理費と修繕積立金比率の見直し、つまり修繕積立金の値上げ無しで比率変更を検討してみましょう。
まずは月額500円の移動、つまり管理費を500円値下げし、修繕積立金を500円値上げが出来ないか検討してみましょう。あなたのマンションの決算時には毎年数十万円単位の余剰金が出ていませんか。余剰金の額にもよりますが、一件当たりにすると300円~500円の余剰金が発生していませんか? もちろん、緊急時用に余剰金は必要なので、これだけで移動が出来るわけではありません。そこで、管理費目を良く見直してみて下さい。どこかに見直すべき費用がある筈です。例えば、植栽管理費。異常に高いと思いませんか? 管理会社の内部利益が入ってますから、高額になっている筈です。これを理事会で直接、地元の植栽管理会社に依頼して見積もりを取ってみてください。恐らく、これだけで月額500円の移動は可能だと思います。
そして、ポイントその2、
 管理委託費の見直しでプラス500円の修繕積立金への移動。マンション管理費の中で一番高いのが管理委託費です。これは特に内訳の記載も無く、30万円とか高額になっていませんか。管理委託費には、日常の清掃・ゴミの回収、エレベーター管理費、決算書作成代、事務費などが入っています。さて、あなたのマンションの管理人兼清掃員は何名いて何時間勤務しているかご存知ですか。ちなみに、私のマンションの清掃兼務の管理員は一名で朝7時から10時くらいまでのほぼ3時間勤務です。仮に彼の自給が1000円としても月約20日間勤務したとして60000円、エレベーターは6名乗り、メーカーのフルメンテ契約で高く見積もっても68000円くらい、残りが管理報告書や決算報告書代などの事務費などと考えても、管理委託費月30万円では高すぎます。まあ、この程度なら18万円くらいが妥当ではないでしょうか。近隣のマンションの方と交流をはかる、もしくは他の管理会社に見積もりを取って相場を探るなどしてみて下さい。次期契約更改時に値下げ交渉できるように十分な資料を揃えて置きましょう。管理委託費の減額に成功すれば、管理費から修繕積立金への比率移動プラス500円はかなり実現可能なラインになってくると思います。
 この2つのポイントの実行で1000円積立金を増額できた場合、例えば全50戸のマンションでは1000円×50戸×12ヶ月、つまり1年で60万円、15年周期で大規模修繕を行うとすると900万円積立金を増額できることになります。途中で定期預金などして運用すればもう少し積み増しできる計算です。
 たかが、1000円、されど1000円です。
しかも、なにより居住者(組合員)の負担にならない管理費と修繕積立金の1000円の比率移動ならば実現できそうだと思いませんか? ぜひ、すぐにでも実行してみて下さい。
そしてこのハードルを越え、修繕積立金への組合員全員の関心が高まった時は、ポイントその3、毎月の修繕積立金の増額500円を提唱してみましょう。
これは組合員各戸500円の負担増ですが、50戸のマンションですと、何もしない時に比べて15年で利息含めて1350万円以上も修繕積立金を増やす事が可能になるわけです。
どうですか、「これなら出来るかも!」 って思いませんか。
そうです、これなら出来るんです。ご検討ください。